NPO法人おきなわグリーンネットワーク
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グリーンベルト(植生帯)とは

裸地や畑の周辺、斜面の下側などに、樹木や草木などの植物を帯状に植えることにより、水の流れを弱めたり、濁水中の土粒子を捕捉し、赤土等の流出を防ぐ対策方法です。

※グリーンベルトは、緑肥やマルチングなどとともに、一般的に行われている赤土等流出防止対策で、農地などの赤土等流出源では、重要な防止対策になっています。

※グリーンベルトは、土砂の流出を抑えるとともに畑の土が側溝に落ちるのも防ぎます。赤土等流出量の50~60%程度を軽減する効果があるといわれています。

※グリーンベルトとして植栽する植物には、ゲットウ、ヤブラン、リュウノヒゲ、ベチバーなどがあります。



植え方

グリーンベルト帯に20~40cmおきに①直線に②千鳥に植え付ける。③グリーンベルトの内側が浸食されないためには、5~10mおきに50㎝~1m位T字状に植えつけると良い。

④畑に畝がある場合、畝の谷側に二重にグリーンベルトを植え付けるとより効果が高い。植え付け直後の土砂流出を防ぐため、耕す量を少なくする。(植え付ける所のみを耕す。)

ただし②③④については、グリーンベルト帯の幅が広くなるので、農家との打ち合わせが必要。

①直線的な植え付け

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②千鳥に植え付ける

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③T字で植え付け

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④畝の谷側のみ二重

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実際の植え付けの様子

植え付け01.jpg納品時のベチバー

植え付け02.jpg植栽の様子

植え付け03.jpg直裁直後の様子

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グリーンベルトに適した植物


植栽する植物を選ぶ時の注意点

大きな植栽面積を必要としないもの

邪魔にならず小さい面積で効果が期待できる。

簡単に増え、管理がしやすいもの

株分け等により増やすことができ、増えすぎた時は、簡単に伐採できる。

背丈が高すぎないもの、枝葉が大きくならないもの

農作物に日が当たらなくなるのを防ぐ。

一年中生えていて、葉がなくなったりしないもの

防止効果がなくならない。

どんな環境でも育成するもの

どこにでも植栽できる。

有用性があるもの

香料や薬用として利用したり、花が観賞用になるなど。

2009/3 沖縄県文化環境部 環境保全課 沖縄県の赤土流出について 赤土等ガイドブックより抜粋

グリーンベルト草種の比較について

地等からの赤土流出は、農地等の土壌や有機物、有効成分が減少させ、作物の育成、収量、品質に影響を及ぼす。流出土壌が河川や近海に到達すると観光資源の破壊や近海漁業への影響が深刻な問題となる。現在、グリーンベルト草種として、主にゲットウが利用されているが、初期育成が緩慢なため被覆速度に問題がある。そこで、繁殖、維持管理が容易でかつ被覆速度の速い草種の選定が望まれている。農業試験場八重山支部で複数の草種を定植、中長期育成及び管理状況より総合評価の高いものを挙げてみた。

平成15~17年度にかけ、農業試験場八重山支部作物研究室にて、グリーンベルト草種の比較試験を行った。

試験方法

平成15年11月、ビニールポット(8号)に、挿し芽、株分け、播種を行い、温室で管理した。
平成16年3月定植、栽植法は、

ダンドク、アロルート、レモングラス(株間40cmの1条)
リュウノヒゲ(株間20㎝×条間10㎝の3条植)
その他11の草種(株間30㎝×条間30㎝の2条植)

供試草種の評価

草種名 繁殖難易 初期育成 被覆速度 雑草対策 圃場進入 総合評価 概  評
ベチバー  不要 なし 株の分げつは旺盛で、
再生力も良好
ゲットウ
× × 不要 なし 株の分げつは旺盛だが、
育成後重機などの侵入は困難
アロルート
不要 なし 長期栽培で、
株が弱小
レモングラス



不要
なし
△  長期栽培で、
根上がりする

グリーンベルト定植2年後の育成状況

2004/10、2006/3 農業試験場八重山支部作物研究室 グリーンベルト草種の比較試験より抜粋

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グリーンベルトに適したベチバー

平成15~17年度に行われた石垣島轟川流域農地赤土対策推進検討委員会営農対策分科会においてグリ-ンベルト草種の比較選定試験を実施し、グリ-ンベルト草種として「べチベル」が有望なことが確認されたので紹介する。


ベチベルについて

1)和 名:ベチバ-「ベチベルともいう」(イネ科)学名:Vetiveria zizanioides NASH

2)原産地:インド、ビルマ、マレ-

3)来 歴:戦前ジャワより見本として導入。戦後、鹿児島県下、八丈島等において精油として企業栽培された。現在は、鹿児島県下において茶畑の暴風対策、土砂流亡防止に利用されている。石垣支所には平成15年11月に農研センタ-名護支所の保存株より株分け導入された。

4)試験経過:平成15年11月、15草種についてビニ-ルポット(8号)に、挿し芽、株分け、播種を行い、冬場の生育促進のため温室で管理した。平成16年3月29日に1区50cm×4m(2㎡)の試験規模で石垣市牧中地区のサトウキビ畑にグリ-ンベルト展示を兼ね定植し、生育特性等について試験調査を実施した。


結果の概要・要約

 1)定植後30日の初期生育は、草丈2m、1株分げつ数は28.2本に達し、ゲットウに比較して草丈、分げつ、被覆速度ともに優れる。また刈込み30日後の生育再生も草丈約95cm、分げつ、38.7本/株で再生力にも優れる。

2)最長草丈は出穂前で2,3m以上に達し、6~7月にかけて出穂するが種子の発芽は認められず雑草化の心配はない。また、台風により茎葉が倒伏した場合や茎葉の枯れ上がりが著しくなった場合は、刈込み再生することで草姿の維持が可能である。

3)施肥は葉がやや退色しかけたら化成肥料を適宜株元に施用する。また、刈込み後の施肥は茎葉の展開を確認してから行う。

4)ゲットウ及びダンドク等は、生育の長期化により圃場内への株移動が認められるが「ベチベル」は株移動が全く認められない。現在、定植から約6年を経過したが生育は旺盛で生育の衰えは全く生じてない。また、グリンベルト展示圃では定植から3年間で15草種のうち11草種が雑草繁茂により枯死淘汰された。

5)苗の養成は株をほりあげ、1株4~5本になるように分割する。苗床は畦立マルチ被覆することで雑草対策と苗取作業が軽労働化される。苗の植付後は必ず潅水を行う。また、苗の養成は4~5ヶ月を要するが30日毎に化成肥料を適宜施用し、潅水を行うことで生育が旺盛になり1株より10株程度の苗に分割可能である。また、分割苗は水浸することで比較的長期間保存が可能である。

6)グリ-ンベルト定植は、雨が比較的多く直射日光の弱い1~2月が好ましい。但し、植付後は必ず潅水を行う。





沖縄県農業研究センタ-石垣支所 グリーンベルトに有望な「ベチベル」の紹介より抜粋

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